《ナコ=ティの算数・数学教室(第10話)》
【0.999・・・ = 1 って、あり!!??】
これまで、どこかで「0.999・・・ = 1」という式を見たことがありますか。0.999・・・というふうに9がどこまでも永遠に続く小数を考えると、実は、1に「等しく」なることを表した式です。
0.999・・・ = 1
( 0.999・・・ は 1 に「等しい」のだ )
この式は本当に正しいのでしょうか。何だかすっきりしない人が多いんじゃない。だって、0.999・・・と、どこまでも9が続く数があって、それが 1と「等しい」なんて、そりゃあ 1 に「近づく」のは良いとしても、はっきり「等しい(イコール)」と言い切るのは、ちょっと待ってください気分でしょう。その気持ち、よおーーーーーーく分かります。
そこで今回の《ナコ=ティの算数・数学教室》では、この謎に迫ってみたいと思います。
0.999・・・ = 1
( 0.999・・・ は 1 に「等しい」のだ )
この式は本当に正しいのでしょうか。何だかすっきりしない人が多いんじゃない。だって、0.999・・・と、どこまでも9が続く数があって、それが 1と「等しい」なんて、そりゃあ 1 に「近づく」のは良いとしても、はっきり「等しい(イコール)」と言い切るのは、ちょっと待ってください気分でしょう。その気持ち、よおーーーーーーく分かります。
そこで今回の《ナコ=ティの算数・数学教室》では、この謎に迫ってみたいと思います。
[まず第一段階]
あたりまえですが、2と1は違う数です。野球で2対1なら、2点取った方が勝ちます。2−1=1「差が1」1点差があるので、はっきり勝負がつきます。1点の重みですね。勝負は厳しいです。4対3も4−3=1「差が1」あるので、違う数です。勝ち負けがはっきり決まります。
あたりまえですが、2と2は同じ数です。同点で引き分けです。2−2=0「差が0(ない)」ので、勝負がつきません。どうしても勝ち負けを決めたいのなら、延長戦か再試合か、じゃんけんでもしますか。
次に、スピードスケートか陸上競技か水泳などを考えてみましょう。百分の1秒まで計測する競技で、A選手の記録が48秒72、B選手の記録が48秒73だったら、0秒01の差でA選手の勝ちですよね。いくらちょっとの差でも「差は差」です。わずか0秒01の差で、メダルの色が変わってしまいます。ここでも、勝負は厳しいです。
しかし、Aが48秒72で、Bも48秒72だったらどうなりますか。こういうとき、どうするかは、大会規約とか競技規則ではっきり決まっているハズです。たとえば、電気時計の記録を調べて、千分の1秒まで比較するかもしれません。そしてA選手が48秒722で、B選手も48秒722だったら、同着1位とするしかないですよね。エッ? 一万分の1秒や十万分の1秒まで調べるべきですか? もしそれでも「差がない」んだったら、1位2位に分けるわけにはいかないでしょう。
つまり、私たちは、2つの数が「等しい」か「等しくない」かを判定する場合、「差があるか・ないか」を調べているんですね。「差(引き算の答え)」が決め手のようです。
第一段階はOKでしょうか。これを認めてくれれば、いよいよ本番
0.999・・・ = 1
の説明に進みます。
あたりまえですが、2と1は違う数です。野球で2対1なら、2点取った方が勝ちます。2−1=1「差が1」1点差があるので、はっきり勝負がつきます。1点の重みですね。勝負は厳しいです。4対3も4−3=1「差が1」あるので、違う数です。勝ち負けがはっきり決まります。
あたりまえですが、2と2は同じ数です。同点で引き分けです。2−2=0「差が0(ない)」ので、勝負がつきません。どうしても勝ち負けを決めたいのなら、延長戦か再試合か、じゃんけんでもしますか。
次に、スピードスケートか陸上競技か水泳などを考えてみましょう。百分の1秒まで計測する競技で、A選手の記録が48秒72、B選手の記録が48秒73だったら、0秒01の差でA選手の勝ちですよね。いくらちょっとの差でも「差は差」です。わずか0秒01の差で、メダルの色が変わってしまいます。ここでも、勝負は厳しいです。
しかし、Aが48秒72で、Bも48秒72だったらどうなりますか。こういうとき、どうするかは、大会規約とか競技規則ではっきり決まっているハズです。たとえば、電気時計の記録を調べて、千分の1秒まで比較するかもしれません。そしてA選手が48秒722で、B選手も48秒722だったら、同着1位とするしかないですよね。エッ? 一万分の1秒や十万分の1秒まで調べるべきですか? もしそれでも「差がない」んだったら、1位2位に分けるわけにはいかないでしょう。
つまり、私たちは、2つの数が「等しい」か「等しくない」かを判定する場合、「差があるか・ないか」を調べているんですね。「差(引き算の答え)」が決め手のようです。
第一段階はOKでしょうか。これを認めてくれれば、いよいよ本番
0.999・・・ = 1
の説明に進みます。
[いよいよ本番]
まず、0.999と1を比べると....
1−0.999=0.001で、千分の1の「差がある」ので、0.999と1は「等しく」ありません。あたりまえですね。
次に、0.999999と1を比べると....
1−0.999999=0.000001で、これもわずか百万分の1ですが、小さいとはいえはっきりと「差がある」ので、「等しく」ありません。これもあたりまえですね。
こうして、0.999・・・で9が100個並んでも、1000個並んでも、そこで終わる数(有限小数)ならば、1との間で必ず「差」が見つかります。すごく小さい差ですが、「差が(確かに)ある」のですから、違う数です。自信を持って、「等しくない」と言えます。
まず、0.999と1を比べると....
1−0.999=0.001で、千分の1の「差がある」ので、0.999と1は「等しく」ありません。あたりまえですね。
次に、0.999999と1を比べると....
1−0.999999=0.000001で、これもわずか百万分の1ですが、小さいとはいえはっきりと「差がある」ので、「等しく」ありません。これもあたりまえですね。
こうして、0.999・・・で9が100個並んでも、1000個並んでも、そこで終わる数(有限小数)ならば、1との間で必ず「差」が見つかります。すごく小さい差ですが、「差が(確かに)ある」のですから、違う数です。自信を持って、「等しくない」と言えます。
ところがどうでしょう、0.999・・・というふうに9がどこまでも永遠に続く小数(無限(循環)小数)の場合には、様子が違います。
1との差を見るために、実際に紙と鉛筆を使って引き算をやってみましょう。どうですか? 9がどこまでも永遠に続いていくのですから、右へ右へどんなに位を下げていっても、差は見つからなかったでしょう。
1.0000000000000000000000・・・
− 0.9999999999999999999999・・・
0.0000000000000000000000・・・
ここで大事なのは、時間が足りなかったから差が出なかった、というわけではないということです。辛抱強く計算を続ければそのうち差が出る見込みがあるのなら、頑張り甲斐があります。一生懸命計算を続けましょう。でも、本当に差が出る見込みがありますか? はっきり言って「見込みはない」んです。1週間計算を続けても、否、1年、10年、100億年(!)続けても、いつまで経っても決して差は出ないんですよ。9がどこまでも永遠に続くのですからその続いていく分だけずっと差は出ないんですよ。「差が出るハズだ」という強い「信念」を持つのは構いませんが、どんなに時間をかけても、その差が出てくるあてがないのです。だとしたら、その「信念」は単なる「意地っ張り」に過ぎないんじゃありませんか。筋の通らない「ダダコネ」です。
というわけで、もうあきらめて、「差はない」ことを認めましょう。「差が(どうしても)出ない」ことを認めたなら、
0.999・・・ = 1
を認めましょう。「差がない」のなら、同じ数だと言わざるを得ないでしょう。
1との差を見るために、実際に紙と鉛筆を使って引き算をやってみましょう。どうですか? 9がどこまでも永遠に続いていくのですから、右へ右へどんなに位を下げていっても、差は見つからなかったでしょう。
1.0000000000000000000000・・・
− 0.9999999999999999999999・・・
0.0000000000000000000000・・・
ここで大事なのは、時間が足りなかったから差が出なかった、というわけではないということです。辛抱強く計算を続ければそのうち差が出る見込みがあるのなら、頑張り甲斐があります。一生懸命計算を続けましょう。でも、本当に差が出る見込みがありますか? はっきり言って「見込みはない」んです。1週間計算を続けても、否、1年、10年、100億年(!)続けても、いつまで経っても決して差は出ないんですよ。9がどこまでも永遠に続くのですからその続いていく分だけずっと差は出ないんですよ。「差が出るハズだ」という強い「信念」を持つのは構いませんが、どんなに時間をかけても、その差が出てくるあてがないのです。だとしたら、その「信念」は単なる「意地っ張り」に過ぎないんじゃありませんか。筋の通らない「ダダコネ」です。
というわけで、もうあきらめて、「差はない」ことを認めましょう。「差が(どうしても)出ない」ことを認めたなら、
0.999・・・ = 1
を認めましょう。「差がない」のなら、同じ数だと言わざるを得ないでしょう。
これで私の説明は終わりです。「差」に注目した説明をしてみました。納得してもらえたかな。
なお、この問題は、普通、次のように説明しています。
1÷3を計算して0.333・・・となるから
1
── = 0.333・・・が正しい式だと認めてもらいます。
3
次に、この両辺を3倍して
1
── × 3 = 0.333・・・×3
3
3
── = 0.999・・・
3
1 = 0.999・・・
ほら、等しくなりましたよ。
なお、この問題は、普通、次のように説明しています。
1÷3を計算して0.333・・・となるから
1
── = 0.333・・・が正しい式だと認めてもらいます。
3
次に、この両辺を3倍して
1
── × 3 = 0.333・・・×3
3
3
── = 0.999・・・
3
1 = 0.999・・・
ほら、等しくなりましたよ。
実は、この説明にも、私の説明にも、いろいろと「問題箇所」があるんです。でもまあ、今回はあまり深入りせずに“オハナシ”として読んでくだされば、うれしいな。と思っています。ではまた。